協調を重んじる日本ではワキガを指摘してもらえない?
日本人は「悪臭」に対してとても敏感に反応します。
その一方で我慢強く協調を重んじる性質もあるため、ワキガなどの特異的な体臭に嫌悪感を抱いても、本人に「あなたはワキガです、治療を受けてください」などとはめったに指摘しません。
何らかのきっかけで本人が「自分から」気付くまで待つのが一般的な反応です。
あるいは、なるべくワキガの人物に近寄らないように心がけ、距離を置こうとするでしょう。
個人的な問題に口を挟むのはぶしつけである。常識に外れた行為である。という日本の社会通念がこのような状況を生み出しました。
その道徳が悪いとは言いませんが、ワキガ(腋臭症)を抱える当人にとっては悲劇的ですよね。
望んでワキガになったのではなく、周囲に不快感を与えたいのでもないのに、自然体でそこにいるだけで「におい」という見えない壁が立ちはだかるわけです。
腋臭症(えきしゅうしょう)、どうやって気付けばいいの?
「ワキガは誰でも発症する可能性がある」ということ、そして「自分もその可能性がある」ということをすべての人が認識するべきです。
まずは自分自身が客観的にワキガの可能性をチェックするポイントを知る必要があります。
嗅覚では察知できなくても、衣類のシミや耳垢の状態、汗の量が多い、体毛が濃いといったワキガのサインは機械的に判別できるはずです。
耳垢や体毛がどうしてワキガを見分ける手掛かりになるのか不思議に思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。
こればかりは「そのような傾向が見られる」と理解していただくしかないのですが、臨床データの蓄積から関連性があること自体は確かだと思われます。
腋臭症のメカニズムについてはまだまだ研究の途上です。今後の進展に期待しつつ、その時々で最善の対策を選ぶ姿勢が大切なのではないでしょうか。